多くの方がハローワークと言うのは失業者だけが訪れる場所だと認識しているのではないでしょうか?
ですがハローワークというのは決して失業者の為にある施設ではなく、今働いている方も利用できる無料の施設なのです。
現在ハローワークは全国に554か所あり、その正式名称は「公共職業安定所」と言います。
新卒して入社した会社が素晴らしい環境でその会社で定年まで過ごすことになるならその方にとってはハローワークは必要ないかも知れません。
ですが今後、新たな会社で働くことを希望している方や、これから会社を退職しようと考えている方にとってはとても重要な施設になります。
そこでハローワークでは何が出来るのか、何をしてくれるところなのかについてご説明したいと思います。
ハローワークは何を行っている施設なのか
ハローワークは基本的には以下の6つの部門から成り立っています。
- 雇用保険課
- 職業相談部門
- 職業訓練部門
- 専門援助部門
- 事業所部門
- 生活支援
ではこの部門ごとの役割について解説します。
雇用保険課
雇用保険課では主に「失業保険」の手続きを行っています。
失業保険の正式名称は雇用保険ですが失業保険という名称の方が一般的かと思います。
職業相談部門
職業相談部門では現在仕事に就いている方も失業中の方でも就職を希望している全ての人に対して職業相談や求人情報の提供を行っています。
この部門の窓口には専任の相談員と呼ばれるスタッフが常駐しており、就職に関する各種サポートを行っています。
またハローワークには求職情報を閲覧するためのパソコンが複数台用意されているのでそれを使ってハローワークが管理してる求人情報を閲覧することも出来ます。
求人情報の提供以外にも履歴書の書き方や面接の対策、応募書類の作成方法などについてもアドバイスを行ってくれます。
職業訓練部門
就職する際に有利な資格や技能を得るための職業訓練に関する相談や手続きを行っているのが職業訓練部門です。
職業訓練にはIT系から技術系まで様々な分野のコースが用意されており、そのほとんどを無料で受講できるのが特徴です。
専門援助部門
子育てをしながら働いている女性や外国人、障害がある方など専門的な援助が必要な方に対する就職支援を行っているのが専門援助部門です。
事業所部門
ハローワークには多くの企業が求人を出していますがその料金は無料です。
料金がかからない為、ハローワークには多くの企業からの求人が集まるのですがそうした企業と求人情報の管理をしているのが事業所部門です。
また一般企業に対しての各種助成金の窓口も兼ねています。
生活支援
ハローワークには生活に困っている方向けの窓口も用意されています。
失業している方の中で生活に困窮している方は「生活福祉資金貸付制度」が利用できる場合があるので相談してみてはいかがでしょうか。
ハローワークのメリットとデメリットについて
ここではハローワークを利用する上で考えられるメリットとデメリットについてご説明します。
ハローワークを利用するメリットその1 誰でも無料で利用できる
先ほどご説明した通り、ハローワークは基本的には誰でも無料で利用することのできる施設です。
例えば民間の就職紹介会社を利用して就職先を見つける場合には登録自体に料金が発生することもあります。
また民間企業は良い人材をいかに多く企業に紹介するかを目的に運営されているので誰しも万全のサポートが受けられるとは限らないのです。
一方ハローワークは民間企業ではなく国によって運営されているので利益を重視して就職を支援している訳ではありません。
ですので仕事を探している方の中でも特筆すべきスキルや技能を持ち合わせていない方に対しても親身になって就職のサポートを行ってくれるはずです。
ハローワークを利用するメリットその2 職業訓練が受けられる
ハローワークでは就職に有利になる技術や知識を得ることのできる職業訓練も紹介しています。
職業訓練はその大半が無料で、さらに訓練を受講することで様々な手当まで受け取ることが出来ます。
入校選考があるため必ず受講できる訳ではありませんが、こういった公共職業訓練を紹介してくれるのも大きなメリットだと言えるでしょう。
ハローワークを利用するメリットその3 求人数が多い
先ほど軽く触れた通り、ハローワークに企業が求人を掲載するのは基本的には無料です。
民間の求人サイトに求人の掲載をすると莫大な費用が発生することを考えれば多くの企業がハローワークに求人の応募をすることは容易に想像することが出来ます。
ですのでそのほとんどがハローワークの管轄内にある中小零細企業ですが、求人数が多ければそれだけ選択肢の幅が広がるのはメリットだと言えるでしょう。
ハローワークを利用した際のデメリットとは
ハローワークを利用することのデメリットとしては
- 求人に応募する際はハローワークの紹介状が必要
- 求人の中にはいわゆるブラック企業が多い
この2点が挙げられます。
紹介状を貰うこと自体は容易なのですが、紹介状を受け取れるのはハローワークだけなので郵送などはありません。
地方にお住いの方の場合は紹介状を貰うためにいちいちハローワークに行かなければならないのは大きなデメリットだと思います。
また求人の掲載が無料であるが故にいわゆるブラック企業の求人も多いようです。
求人票には良い条件が記載されているにもかかわらず、実際に面接に行くと事実と異なる勤務条件だったということも残念ながら多いようです。
もちろんそういった企業はハローワーク側で排除しているようですが中々対処しきれないのが実情の様です。