職業訓練を受ければ失業保険が倍になる?!
各都道府県や自治体、独立行政法人雇用・能力開発機構が行っているのが公共職業訓練です。
具体的には失業中の方が、早期に就職ができるように、就職する際にプラスとなる知識や技能を身に着けるための訓練を受けさせてくれるのが公共職業訓練です。
無料でさまざまな知識や技能が習得できるだけでなく、公共職業訓練を受けると失業中の方にはありがたい金銭的なメリットも増えます。
まずひとつ目に自己都合で退職した方は、失業保険を受給できるまでに3か月の給付制限があるのですが、公共職業訓練を受けるとこの給付制限が解除されます。
つまり3か月を待たなくても訓練を受けるだけですぐに給付金を受け取ることができてしまうのです。
加えて公共職業訓練を受講する期間が失業保険の給付期間を超えるような場合、職業訓練が終了するまで給付を延長することもできるんです。
例を挙げると、30歳の方が9年間働いた会社を自らの意思で辞めた場合、通常であれば失業保険は90日間分給付されることになります。
そこでこの男性は30日間失業保険を支給された後に、合計180日間行われる職業訓練を受けることにしました。
普通に考えれば「90日ー30日=残り60日」で失業保険の給付は終了します。
ですが公共職業訓練を受けて60日間が経過しても180日の訓練を受講しているので、残りの120日分についても継続して失業保険を受け取ることができてしまうのです。
本来男性が受け取ることのできる給付期間は60日だったにもかかわらず公共職業訓練を受講することで、さらに120日分を加えた合計で210日間分の失業保険を受給することができたのです。
今回この男性が受講した公共職業訓練は180日間でしたが、実際には「1か月、3か月、半年、1年、2年」と幅広く用意されています。
もちろん給付制限を受けている最中に公共職業訓練を受講すれば、それも即解除になりますので、すぐに失業保険の給付を受けることも可能です。
給付制限も解除され、失業保険の給付日数も増え、なおかつ就職に有利になる各種技能や知識も無料で学べるなら公共職業訓練を受けるメリットは非常に大きいと言えるでしょう。
失業を機に新たなスキルを習得し、今までとは別の道で頑張っていきたいと考えている方がいらっしゃるのなら、さまざまな技術や知識を習得できる上に金銭的なメリットも多い公共職業訓練は非常にオススメです。
まだまだある公共職業訓練を受けるメリット
無料で就職に有利になる技能を学べ、失業保険の給付額も最大で2倍も多くなる公共職業訓練ですが、これ以外にもまだまだ受講することで得ることのできるメリットがあります。
それが失業保険の受給手続きが非常に簡単、簡素化することです。
失業保険の給付までの一般的な流れは、4週間に1度の認定日に求職活動の実績を報告しにハローワークを訪れ職員と面談しなければなりません。
その認定日は基本的には変更することができないので、面接や試験が認定日と被ってしまうと非常に慌ただしい1日を過ごさなくてはなりません。
しかし公共職業訓練を受講していると毎月月末が失業認定日になり、職業訓練校がハローワークに変わって手続きの代行を行ってくれるので、わざわざハローワークに行かなくても失業の認定を受けることが可能になります。
また公共職業訓練に通っている間は基本的には就職活動も行わないはずなので時間的な余裕も生まれますし、公共職業訓練校によっては無料で受講できるだけでなく「受講手当、通所手当、寄宿手当」といった手当が失業保険とは別に貰えることもあります。
手当の内容を詳しく見てみると
- 受講手当=食事代
- 通所手当=交通費
- 寄宿手当=扶養中の家族と別居して通学する費用
それに公共職業訓練は受講時間や受講期間は受ける講座やどの訓練校に通うかでさまざまなパターンがあるので自分のライフスタイルや目指す就職先などによって好きに選ぶことが可能です。
受講時間も平均して1日6~8時間、受講期間も3か月~2年とバリエーション豊かなのも魅力のひとつです。
もし2年間の公共職業訓練を受ければ、失業保険の受給期間と合わせて最長で2年間も失業手当と訓練校から支給される各種手当を同時に貰い続けることも可能です。
よりよい環境の就職先を見つけるためにじっくりと技術や技能を習得したいと考えている方は、この公共職業訓練を上手に活用したいところです。
公共職業訓練にはどんな種類があるのか
受講することによってさまざまなメリットがある公共職業訓練ですが、実際の講座にはどんなものがあるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
たとえば東京都内を例に挙げてみてみると、現在東京都内には公共職業訓練校の認可を受けてる技術専門学校が2013年の時点で16校もあります。
それらの技術専門学校では
- 経理事務
- 福祉関係
- コンピューター関係
- 調理師
- 金属加工
このようにかなり充実した内容になっていますので、ご自身にもっとも合った訓練を探してみてはいかがでしょうか。